単に音楽を「聴く」だけでなく、アーティストの意思決定や創作プロセスにファンが直接関与し、共に成功を分かち合う……そんな新しい形のエンゲージメントが本格化しています。大手レコード会社「ミライ・ミュージック」とWeb3テクノロジースタートアップの「チェーン・ビート」は本日、アーティスト特化型の共創&ファン投票プラットフォーム「FanFlow(ファンフロー)」の正式サービスを開始しました。
「投票権」を持った独自トークンがファンとアーティストを繋ぐ
「FanFlow」は、ブロックチェーン技術を活用した「ファンジブル・トークン(代替可能トークン)」を発行し、これをベースにしたコミュニティ経済圏(トークンエコノミー)を構築します。
ファンは、応援したいアーティストの独自トークン(例:[アーティスト名]トークン)を購入、あるいは日々のストリーミング再生、SNSでのプロモーション支援活動(いいね、シェアなど)を通じて獲得できます。トークン保有者は、プラットフォーム上で以下のような特権を得られます:
- 創作プロセスへの参加・ガバナンス投票 「次の新曲のミュージックビデオ(MV)のコンセプトは、SF風か、それとも日常ドラマ風か?」「次の全国ツアーの初日公演で演奏する最後の1曲(ダブルアンコール)は何か?」といった、これまでアーティストやスタッフだけで決められていた重要な意思決定に対し、トークンを用いたガバナンス投票を通じて直接関与できます。
- トークン保有量に応じた「超プレミアム特典」のアンロック 保有量やコミュニティへの貢献度ランクに基づき、「レコーディングスタジオへのオンライン生招待」「アーティスト本人が参加する限定コミュニティチャットへのアクセス権」「最優先チケット先行抽選枠」などの豪華な特典が提供されます。
- 共創による「コミュニティ帰属意識」とインセンティブ アーティストの人気が高まり、コミュニティが拡大すると、トークンの流動性や価値も間接的に向上します。ファンは単なる「消費ターゲット」から「共同のプロジェクト支援者」へと立場が変わり、アーティストの成功が自身の応援への見返りとして視覚化されます。
投機目的を排除した「健全なファン・ファースト」設計
Web3や暗号資産を巡るエンタメビジネスでは、価格の乱高下や投資目的のユーザーによる買い占めなどがしばしば問題視されてきました。この点に対し、ミライ・ミュージックは「投機的な取引を抑制するセーフガード」をあらかじめ実装しています。
FanFlowで発行されるトークンは、法定通貨での固定・緩やかな価格バンド設定や、初期のアーティスト活動期間における転売・売却制限(ロックアップ期間)、さらに一定以上の買い占めを防ぐ上限設定などが設けられており、純粋に「アーティストを長く熱心に応援したい実質的なファン」だけがメリットを受けられるようにカスタマイズされています。
ローンチと同時に、国内を代表するダンスボーカルグループや人気女性ソロシンガーなど5組のアーティストが第1弾としてプロジェクトへの参加を表明。すでに一部のアーティストは、次のデジタルシングルの「ジャケットデザイン」をファン投票で決定するキャンペーンをスタートさせています。
ミライ・ミュージックのCEOは、「現在のサブスク全盛時代において、音楽の単価は均一化され、アーティストと個々のファンの絆は薄まりがちです。FanFlowは、熱量の高いファンにふさわしい『発言権』と『特別な体験』を提供し、ファンと共に音楽ブランドを作り上げる、これからの新しい共創時代のスタンダードを目指します」と力強く語りました。
音楽のマネタイズモデルが多様化する中、Web3を活用したこの「共創型コミュニティ経済」は、業界におけるファンエンゲージメントのあり方を根底から変える可能性を秘めています。